
思春期は、子どもから大人へと成長していく大切な時期です。
この時期には、ホルモンの働きによって身体が大きく変化し、それに伴ってこころのバランスもゆらぎやすくなります。
今までとは違う体の変化や、説明しにくい心の不調に戸惑ったり、「こんなことで病院に行っていいのかな」と思って受診をためらったりしてしまうこともあるかもしれません。
当院では、思春期の女の子に特有の悩みや不安に、日本産科婦人科学会専門医の女性医師が寄り添ってお話を伺い、安心して過ごしていけるようお手伝いをしています。
どんな小さな不安でも構いません。どうぞお気軽にご相談ください。
思春期について
思春期とは、おおよそ10歳前後から18歳ごろまでの期間を指します。
この時期は、女性ホルモンの分泌が活発になり、胸がふくらむ、陰毛が発生する、初経(月経のはじまり)を迎えるなど、身体の内側でも外側でも大きな変化が起こります。
身体の成長とともに、自我が目覚めるなど心も敏感になり、自分でもうまく説明できないような不安や不調を感じることがあるのが特徴です。
思春期によくみられる心身の問題
思春期では、体も心も劇的な変化にさらされます。
それにより自分だけでは解決できない、コントロールが難しい心身の問題も多数、現れます。
とくに思春期には性ホルモンの分泌が急激になることで、ホルモンバランスが乱れやすくなり、月経異常や不安感の増加などが引き起こされることがあります。
思春期には、次のような体や心の不調がみられることがあります
- 月経がこない、または月経不順
- 月経痛がつらくて学校や部活に行けない
- おりものの量が多い、においが気になる
- 乳房が痛い、違和感がある
- 顔のニキビがひどくなる
- 気分が落ち込む、不安になる、イライラする
- 集中力が続かない、眠れない、疲れやすい
これらの症状は、一つひとつは軽くても、日常生活に支障が出るほど強くなることもあります。
病気ではないかもしれないけれど、「なんとなくつらい」「なんだか苦しい」という感覚が続くときには、それは心と体からの大切なサインかもしれません。
思春期不定愁訴とは
思春期不定愁訴とは、思春期の女の子に特にみられる、原因がはっきりしない体の不調や気分の不安定さのことを指します。
学校や家庭での環境変化、人間関係の悩み、体の変化への戸惑いなどが重なり合って、心と体がバランスを崩してしまうことがあります。
思春期不定愁訴の症状・種類
- 頭痛や腹痛、吐き気
- めまい、立ちくらみ
- 眠れない、すぐに目が覚めてしまう
- 疲れやすい、だるさがとれない
- 動悸、息苦しさ
- イライラ、不安感、涙が出る
- 朝になると起きられない、登校できない
これらの症状は、日によって変化する場合や、検査をしても異常が見つからないことが多いため、周囲にも理解されにくく、ご本人もつらい思いを抱えがちです。
思春期不定愁訴の原因
主な要因は、女性ホルモンの急激な変化による自律神経の乱れや、心のストレスです。
初潮を迎えるころからホルモンバランスが不安定になり、自律神経が影響を受けることで、全身の不調が現れます。
また、勉強・進路・人間関係など思春期特有の悩みが重なって、症状が長引くこともあります。
思春期不定愁訴への対応・治療
まずは、ゆっくりとお話を聞き、身体的な病気の可能性がないかを確認します。
そのうえで、症状に応じた漢方薬や必要最小限のホルモン調整薬を用いることがあります。
また、生活習慣の改善(睡眠・食事・運動)や、学校生活・家族との関係についても一緒に整理して考えていきます。
保護者の方への説明や支援も大切にしています。
PMS(月経前症候群)とは
PMS(Premenstrual Syndrome)とは、月経前の3〜10日間に心や体に現れる不快な症状のことです。
思春期の女の子にもよく見られるもので、症状は月経が始まると軽くなる傾向があります。
PMSの症状
- 強いイライラや情緒不安定
- 涙もろくなる、気分が沈む
- 頭痛や腰痛、下腹部痛
- 乳房の張り、眠気、肌荒れ
- 食欲が抑えられない(甘いものなどが欲しくなる)
これらの症状は、本人にとってはとてもつらいものであり、学校や家庭での生活に影響を及ぼすことも少なくありません。
PMSの原因
PMSは、排卵後に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で、自律神経や脳内の神経伝達物質に変化が起こり、不調が現れると考えられています。
ホルモンの変動に加え、ストレスや睡眠不足、栄養バランスの乱れも症状を悪化させる要因となります。
PMSの治療
症状が軽い場合は、生活改善や市販薬、漢方薬などで対応することも可能です。
症状が強く、学校生活に支障が出る場合には、低用量ピルやホルモン治療、SSRI(抗うつ薬)などを用いた治療を行うこともあります。
一人ひとりの状態に合わせて、無理のない方法を一緒に考えていきます。
お気軽に思春期相談をご利用ください
「月経がつらい」「心が落ち着かない」「体がなんとなくしんどい」――それは、あなたのせいではなく、変化の時期にある体と心のSOSかもしれません。
周りの人に言いづらいことでも、当院の女性医師がやさしくお話をうかがい、専門的な立場からサポートいたします。
このほか、
「デリケートゾーンがかぶれている、かゆい」
「生理中じゃないのに出血している」
「初潮が始まらない」
「性病が心配」
など、なかなか相談しづらい悩みについても、思春期相談で対応します。
「婦人科は大人の女性が行くところ」というイメージを持たれている方もいるかもしれませんが、思春期の女の子こそ、婦人科で安心して相談できる場所が必要です。
保護者の方と一緒の受診も可能です。
体調や気分のことで気になることがあれば、どうぞ一度ご相談ください。
ご予約の際は、「思春期・更年期・月経不順またはその他診察」を選択してください。
